給食の仕事についてどんなイメージを持っていますか?
世間一般のイメージだと、「重労働できつい」「誰でもできる仕事」と持たれています。
でも実際には、様々な食の知識や調理技術のスキルが必要とされ、徹底した衛生管理と限られた環境や時間の中で、給食を時間内に提供しなければならない時間との戦いなのです。
学校給食調理員とは小学校や中学校、給食センターなどで子供たちや教職員分の給食を安全、安心に調理する仕事です。栄養士の献立をもとに数百から数千人分の大量の調理や衛生管理、配膳、洗浄などをチームで協力して行います。
1日の仕事の流れ
朝何時に出勤してから何時に退勤するまでの、社員とパートのタイムスケジュールを紹介していきます。
7:00 社員出勤・身支度
一日は、自宅で体温を測定し、記録するところから始まります。
出勤後は、体温だけではなく手指に傷がないか、体調に問題がないか確認・記録してから給食室へ入ります。
その後、念入りに手洗い・消毒を行い、納品や野菜の下処理の準備を進めます。
実は、体調確認と手洗いは給食づくりの中でも特に重要な作業です。食中毒を防ぐためにどんなに忙しい日でも決して省略することはできません。
7:30 納品・検品・野菜の下処理
本日使用分の野菜や肉・魚などの食材が納品されます。
数量や品質、賞味期限を確認し、異物や痛みがないかを丁寧にチェックします。
野菜は皮むき・洗浄・カットを行い、調理の準備を進めます。
また、学校給食では厳しい衛生管理基準が定められているため、すべての作業を決められた手順に沿って進めることが重要です。
9:00 パート出勤・朝礼
パートスタッフが出勤したら、最初に朝礼行います。
朝礼では、その日の作業内容や一日の流れを全員確認します。また欠勤による人数変更や、いつもと違う献立・作業内容などの変更点も共有します。
朝礼後、それぞれの担当する場所に分かれて作業を開始します。
朝礼は、一人ひとりが迷わず作業できるようにするだけでなく、チーム全体で情報を共有し、安全に給食を提供するための大切な時間です。
10:00 調理
11:30の配缶に間に合うよう、本格的な調理が始まります。
献立よって調理を始める時間は異なります。
これは温かい料理は温かいうちに、サラダなど冷たい料理は冷たく状態で提供するためです。
また、学校給食では、最終加熱後2時間以内に喫食することが衛生管理の基準として定められています。
そのため、加熱時間や味付けのタイミングを逆算しながら、限られた時間の中で効率よく調理を進めます。
11:30 配缶・検食
出来上がった料理を各クラスごとの食缶へ配缶していきます。
配缶と同時に、校長先生(または検食責任者)に検食をお願いします。
検食では、味付けや異物混入の有無、温度などを確認し、安全に教職を提供できるか最終確認を行います。問題なければ各クラスへ給食を届けます。
食缶とは? 調理した料理を温かいまま各クラスへ運ぶための容器です。
配缶とは? 出来上がった料理を食缶へ均等に盛り付ける作業です。
検食とは? 提供前に安全性や品質を確認する試食のことで、学校給食では欠かせない 衛生管理の一つです。
13:00 洗浄・片付け
給食が終わると、各クラスからもどってきた食缶・食器・調理器具などを洗浄します。
洗浄後は、熱風保管庫に収納します。
最後に残菜量を測定します。
残菜量を測定することで、「今日の献立は食べやすかったか」「味付けや量は適切だったか」を把握し、今後の献立作りや調理の改善につなげます。
熱風保管庫とは? 約80℃~90℃の熱風で食器や調理器具の乾燥と殺菌する衛生管理機器です。
15:00 洗浄終了・パートスタッフ退勤・社員退勤
15時頃までには午後の洗浄作業を終え、翌日の準備を進めます。
大量の食器や食缶を短時間で洗浄しなければならないため、チームワークを大切にしながら、効率よく作業を進めます。
パートスタッフは15時頃に退勤します。
社員んはその後、事務処理や翌日の献立・食材の確認、書類作成などを行い、16時頃に退勤します。
私は主任という立場で、翌日の準備に漏れがないか、最後に全体を確認してから一日の業務を終えます。
仕事のやりがい
学校給食の仕事を続けていて、一番のやりがいは子供たちの成長を間近で感じられることです。
毎年同じ学校で勤務していると、入学したばかりだった子供が卒業する姿を見ることができます。
また、「今日の給食おいしかったよ」「いつもありがとうございます」と声をかけてもらえると、とても励みになります。
さらに、学校給食は残業がすくなく、休日もしっかり確保されているため、家族との時間や趣味の時間を大切にできることも魅力の一つです。
私自身、この仕事を通じて子どもたちの健康を支えられていることに、大きなやりがいを感じています。
大変だと思うこと
学校給食の仕事で大変なのは、暑さ・寒さ・衛生管理・時間との戦いです。
エアコンのない調理場では、夏は30℃を超え、冬は10℃以下になることもあります。そのため、季節に問わず体力が求められます。
また、すべての作業には細かなルールがあります。手洗いの方法、野菜の洗浄、調理手順、料理を作る時間まで、一つひとつ衛生管理基準が定められています。
そのため毎日、限られた時間の中で衛生管理を徹底しながら作業を進めなければなりません。
しかし、その分やりがいもあります。
何事もなく給食を提供し、一日を無事に終えたときの達成感と充実感は、この仕事ならではの魅力です。
こんな人に向いている
学校給食は、一人で作る仕事ではありません。
栄養士や調理員、パートスタッフと声を掛け合いながら、役割を分担して作業を進めます。そのため、チームワークを大切にできる人は向いています。
また、給食の現場では機械の故障や食材の変更、人数の変更など、予定通り進まないこともあります。そのような場面でも落ち着いて対応できる臨機応変な対応力が必要です。
そして、最も重要なのが衛生・安全管理を徹底できることです。
食中毒や異物混入を防ぐため、手洗いや消毒、身だしなみなどのルールを守る高い衛生意識が欠かせません。
学校給食は子どもたちの健康を支える仕事です。その責任を持って働ける人には、とてもやりがいのある仕事だと思います。
まとめ
学校給食の仕事は、料理を作るだけではありません。
子どもたちへの安全でおいしい給食を届けるため、多くの工程や衛生管理、チームワークが求められる仕事です。
大変なこともありますが、それ以上にやりがいを感じられる仕事だと私は思っています。
少しでも学校給食調理員という仕事の魅力が伝わり、「やってみたい」と思っていただけたら嬉しいです。
以前働いていた居酒屋社員と学校給食調理員では、働き方や仕事内容がどれほど違うのか。実際に経験した私が詳しく比較します。ぜひ次の記事もご覧ください。

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