私は以前、居酒屋で社員として働いていました。
その後、学校給食調理員へ転職し、現在主任として働いています。
同じ「調理」の仕事でも、実際に働いてみると仕事内容や働き方、やりがいは大きく異なりました。
この記事では、実際に両方を経験した立場から、その違いを分かりやすく紹介します。
学校給食と居酒屋の違い【一覧】
| 比較項目 | 学校給食調理員 | 居酒屋社員 |
| 勤務時間 | 早朝~夕方 (7:00~16:00前後) | 昼~深夜(12:00~24:00前後) |
| 休日 | 土日祝・長期休暇が多い | シフト制 |
| 給与 | 勤務先・雇用形態による | 店舗・会社による |
| 残業 | 比較的に少ない | 繁忙期は多い |
| 接客 | 基本なし | お客様対応がある |
| 衛生管理 | 国の衛生基準に基づき非常に厳しい | 店舗ごとの衛生基準 |
| 仕事内容(調理の特徴) | 何百~何千人分の大量調理 | 個別の注文ごとの調理 |
| やりがい | 子どもの成長支える 感謝の声が励みになる | お客様の反応を直接見られる 料理の提案ができる |
| 大変なこと | 夏は暑く、冬は寒い過酷な労働環境 | 帰宅が深夜になる不規則な生活 |
| 向いている人 | チームワーク・責任感がある人 | 接客・臨機応変対応が得意な人 |
仕事内容の違い
学校給食調理員と居酒屋社員は、どちらも「調理」の仕事ですが、仕事内容や求められる役割は大きく異なります。 まずは、私が実際に働いて感じた大きな違いを紹介します。 学校給食では、何百食・何千食という大量の給食を限られた時間の中で、安全に届けるに提供することが求められます。 一方、居酒屋ではお客様に「また来たい」と思ってもらうことが大切です。料理のおいしさだけではなく、スピードや接客、雰囲気作りも重要になります。
学校給食は「教育の一環」であり「命を預かる環境」であるため、安全性と正確性が最優先されます。
・100%の安全(徹底した衛生管理) 食中毒を絶対に出さないことが最優先です。 中心温度75℃で1分間以上加熱したことを確認・記録します。
・アレルギー対応の徹底 誤食は命に関わるため、専用の器具や作業区分を使い、複数人で何度も確認します。
・栄養バランスと規則正しさ 栄養士が作成した献立に沿って、塩分や栄養バランスを考えながら調理します。 決められた時間に提供する必要があるため、時間を意識しながら調理を進めます。
居酒屋社員は「顧客満足(リピート)と「利益」を追求するエンターテインメントの場で、あるため、体験価値と効率が最優先されます。
・圧倒的な提供のスピード ファーストドリンクやスピードメニューは客を待たせない工夫をします。 混雑時に注文が重なっても、パニックならず優先順位をつけて同時に調理します。
・お酒が進む「おいしさ」と「見栄え」 インスタ映えする盛り付けや、お酒が進む味付け、五感を刺激するシズル感を意識します。
・原価管理とロス削減 食材を無駄をなく使い切る仕込みや工夫や、適切なポーション(分量)管理で利益を出します。
私が感じた違いはまず、一人ひとり顧客に合わせて作る居酒屋とまとめて大量に作る学校給食です。作ってからすぐに食べてもらう居酒屋、作ってから1,2時間後食べる学校給食では衛生管理全く違いました。学校給食へ転職した当初は、その違いに戸惑うことばかりでした。しかし、一つひとつ学びながら経験を積み、今では主任として安全な給食づくりに取り組んでいます。
一番驚いた違い
私が居酒屋から学校給食へ転職して、一番驚いた違いは「衛生管理の厳しさ」でした。
・居酒屋時代では、衛生管理は行っていましたが学校給食ほど細かいルールはありませんでした。 私は意識していた衛生管理は次のような内容でした。
・手洗いや体調不良時の勤務制限減などの健康管理
・生肉や魚を扱うまな板や包丁の使い分け、洗浄・消毒による交差汚染防止
・厨房や客席を清潔に保つための清掃・除菌
・給食に転職して最初驚いたのが衛生管理の厳しさでした。 手洗いの方法からタイミングまで細かく決められていました。「汚染作業区域」「非汚染作業区域」などもあり、最初の一年間ぐらいは驚きの連続でした。 調理方法や作業手順にも細かな明確なルールがあり、それを覚えることに必死でした。
・最初に戸惑ったのは、居酒屋時代で当たり前だったのが、全く通用しませんでした。 手洗いに、調理の仕方、すべてにおいて手順やルールがありました。長年、居酒屋の調理をしてきたので少し自信があり、「すぐにできるようになるだろう」と安易に考えていました。しかし、その自信はすぐに打ち砕から、「本当にここまで徹底するのか」と驚く毎日で、最初の一年ほどは戸惑うことばかりでした。
そして、給食の仕事続けてると「衛生管理が厳しい」、重要性について実感してきました。特に給食を食べたことによって起こした、食中毒やアレルギー事故のニュースを見るたびに、なおさら背筋が伸ばされる思いで「明日は我が身」という気持ちで、今でも一つひとつの作業に責任をもって取り組んでいます。
大変だったこと
居酒屋で働いていた頃は、「なんでこんなにきつい仕事なんだろうと」思いながら毎日働いていました。しかし学校給食へ転職すると、居酒屋とは違う大変さがあることを知りました。ここでは、実際に私が苦労したことを比較しながら紹介します。
・働き方 (居酒屋)
飲食店は労働時間が長いと言われていますが、私が働いていた店舗も同じでした。 12時に出勤して仕込みを始め、14時頃に休憩を取ります。16時から営業準備を行い、17時か24時頃まで営業をしていました。休日も少なく、平日休みが中心だったため、家族や友人と予定を合わせることはほとんどできませんでした。
(学校給食)
朝7時出勤し、給食を作り、お昼ご飯を食べながら休憩に入ります。午後は食べ終わった食器や食缶などを洗浄して、16時頃には退勤します。そして基本土日休みなのでプライベートや家族との時間は十分に取れます。ただ働く場所は近いとは限らず、家から1時間から2時間かかるところもありました。勤務地によっては4時に起きて出勤する日もありました。
このように、居酒屋は長時間労働、学校給食は朝が早いものの規則正しい生活ができるという違いがありました。
・時間との戦い (居酒屋)
オーダーを受けてら一皿一皿調理をしていました。スピードメニューから一品、ご飯物、デザートまで多岐にわたり注文を次々にこなしながら調理していました。その中で、順番を決め、お客様が不満に思わないように料理を提供するのが本当に大変でした。
(学校給食)
給食開始時間は決まっています。それから逆算して一つひとつの作業時間が決まっており、従業員は時間を常に気にしながら動きます。決して遅れることができないので、忙しいときは時間に追われて、時間内に出しきるのが大変でした。
どちらも時間との戦いですが、その性質は大きく異なります。居酒屋は「注文に追われる仕事」、学校給食は「決められた時間から逆算する仕事」という違いがありました。
・体力勝負 (居酒屋)
常に立ち仕事で、深夜まで働くことが当たり前の世界でした。また繁忙時間は休む暇もなく、次々と入る注文をこなし続ける毎日でした。
(学校給食)
大量調理を作るということは力勝負でもありました。釜の中で何十キロもの食材を混ぜたり持ち上げたりしていました。エアコンのない施設では、夏は暑く、冬は寒い環境で働いています。
居酒屋は長時間働く体力が必要でしたが、学校給食では短時間で大量調理を行う筋力や持久力が求められます。
居酒屋も学校給食の調理員もそれぞれ異なる大変さとやりがいがあります。私は実際に両方を経験したからこそ、自分には学校給食の仕事が合っていると感じました。そして、次に私が学校給食を選んだ理由についてお話します。
私が学校給食を選んだ理由
居酒屋の社員として働いていた頃は、大変なことも多く、「なんでこんなきつい仕事なんだろう」と思うこともありました。 それでも仕事続けるうちに少しずつオーダーを捌けるようになり、仕事ができるようになるんつれて、達成感や充実感も感じるようになりました。 しかし、結婚して子どもが生まれたことで、仕事に対する考え方が変わりました。 「家族との時間を大切にしながら、これまでの調理経験を活かせる仕事はないだろうか」 そう考えていたときに知ったのが学校給食の仕事です。 居酒屋とは給与面や勤務時間などが大きく違うため、不安もありました。それでも、家族との時間を確保しながら調理の仕事を続けられることに魅力を感じ、学校給食への転職を決めました。
まとめ
今回は、学校給食調理員と居酒屋社員の仕事内容や働き方の違いについて紹介しました。
私自身、どちらの仕事にも大変さとやりがいを感じてきましたが。居酒屋ではスピードや臨機応変な対応力、学校給食では衛生管理や時間管理、チームワークの大切さを学びました。 どちらが良い・悪いということではなく、自分がどのような働き方をしたいかによって、向いている仕事は変わると思います。 私の場合は、家族との時間を大切にしながら、これまでの調理経験を活かせる学校給食の仕事を選びました。
次の記事では、学校給食調理員の給料や休日、福利厚生について、実際に働ている立場が詳しく紹介します。

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